academy

導入事例、最先端技術、現場ノウハウ、ピックアップ製品紹介などの情報を更新しています。

2024年01月30日 いまさら聞けないHD-SDI

いまさら聞けないHD-SDI

業界で標準的に使われているワードや技術など、「え・・・いまさら聞けんよね?」というような情報をちょっとだけ掘り下げてみるコーナーです。

いまさら聞けない映像伝送方式

HD-SDI映像伝送方式について

HD-SDI (High Definition-Serial Digital Interface) とは、ハイビジョンに対応したビデオ信号伝送規格です。従来のアナログ映像伝送方式では解像度・画像の品質向上が難しく、また100万画素以上の映像撮影が可能なネットワーク配線(LAN)を用いたIP方式による高解像度デジタルカメラは、システム構築に専門的なネットワークの知識が必要な為、手軽に使用することが困難でした。
そこで地上デジタル放送向け撮影機材用途等で放送業界にて使用されているSDI規格の内、フルハイビジョンに対応したHD-SDI規格を用いることにより、アナログカメラと同じように同軸線で配線し、カメラと録画機を接続するだけでフルハイビジョン映像を無圧縮伝送する事が可能となり、圧縮を行わない事により映像劣化の無い高精細な映像撮影が可能となりました。

● 200万画素 HD-SDI カメラと 960H アナログカメラの解像度の違い


● 同軸線利用で1080Pフルハイビジョン画質の録画/再生が可能

HD-SDIは従来のアナログカメラシステムと同じく同軸線を使用し、フルハイビジョンやハイビジョン画質にて録画・再生が可能になり、デジタルズームを行った際にもつぶれることが少なく、 また、アナログカメラで使用されているインターレース走査方式よりも、動きのある被写体に強い プログレッシブ走査方式を採用することで、ブレの無い映像撮影が可能となりました。


● 配線長は5C-FB使用時 最大100m/3C-2V使用時は約30mまで

高画質・高精細なHD-SDIですが配線距離の限界は、従来のアナログカメラと比較して短くなっています。
5C-FBを使用した場合は最大100mまで、というのが映像信号伝送規格上での限界値です。また、3C-2Vを使用する場合は更に短くなり、おおよそ約30m※1までとなります。
この限界を超えて100m以上の配線を行う場合には、100m毎にリピーター(増幅器)が必要となります。
従来のアナログ伝送方式では「なんとなく色が暗い」「見えないことはないがカメラ画像にノイズがちらつく」といった、映像線の長さが長すぎる為に生じる現象が存在した為、カメラのトラブルなのかケーブル側の問題なのか、問題解消に苦労する状況も発生しましたが、HD-SDI方式は映像信号をデジタル信号化して送信しているので、配線距離の長さに比例する形でカメラ画像の色が暗くなったり、ちらつくノイズ量が増えたりすることはありません。
配線長が長すぎて映像信号レベルが低い場合にはブロックノイズやブラックアウトなど、顕著にわかる形で現れます。
この特性から、適切な配線長・機材配置を行えば手軽に高画質・高精細の映像を伝送できるシステムです。


● 長時間記録を行う場合には大容量HDDが必要

HD-SDIはアナログカメラの画像と比べ、5倍以上の高画質・高精細の撮影が可能ですが、その分記録する映像データ量もアナログカメラの映像データより多く送信される為、長時間録画を行う場合には大容量のHDDが必要となります。
VPLUSのHD-SDI対応レコーダーは アナログ対応レコーダーより1TB増量した HDD2TBモデルが標準仕様です。


● 防犯カメラで用いられる映像伝送方式の比較表